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ゴミ屋敷になった祖母の家

数年前、大学生の頃「おばあちゃんが亡くなった」と連絡を受け一時的に帰省しました。葬儀は民間の式場を借りつつがなく終了し祖母を見送った後、祖母の自宅を尋ねるとそこにあったのはありとあらゆるゴミの山…。もともと農家で日本の貧しい時代を生きた祖母は「捨てる」という行為が大変苦手な人でしたが、晩年は認知症にかかり更に物を溜め込むようになっていたようです。初めてみるゴミの量に祖母を悼む気持ちに「誰がこの家を片付けるのか」「どうやって片付けるのか」という戸惑いが勝ちました。山と積まれた服は不潔なものと清潔なものが混ざり、大量のビニール袋の中に一体何が入っているのかわからず、古くて大きな箪笥がいくつも…。ゴミを土足で踏み分けて入るような状態で水回りに関しては思い出したくもないような状況でした。加えて農耕機械などもあり、どこから手をつけて良いのか分かりませんでした。もちろん短期間では片付かず、大型連休を狙って親族総出で民間業者のゴミ回収のコンテナを借りて片っ端から家にある物を詰め込んで捨てていました。片付けながら認知症の祖母が1人で住んでいたのかと思うと心が締め付けられる思いでしたが、圧倒的な物量の前に感傷に浸っている時間はありませんでした。親族も私の家族も仕事や家庭を抱えながらの片付けに限界を感じ最終的に遺品整理を業者の方にお願いすることになりました。疲弊していた為、ほぼ全ての祖母の持ち物は業者さんに処分をお願いしました。祖母の思い出を親族で話せるようになったのは遺品の処分が済んだ後でした。未だに法事の場では祖母の家の片付けが笑い話になっています。