亡くなった家族のものは、出来るだけ形見として残しておきたいものです。
遺品にはまだ使えそうなものがあったり、家具や家電などで処分してもよいものなど、色々なものが混じって残っています。でも、すべて故人が大切にしていたものだと思うと、簡単に処分することはできないと思います。
私の父が亡くなったのは4年前です。父は「大切なもの」がない不思議な人でした。形見という言葉を聞きますが、父の形見は何だったのか今もわかりません。物に全く執着がなかったし、物を大切にすることもなかった人だったので、形見がなかったのだと思います。
幸か不幸か家族が遺品整理に困ることはありませんでした。亡くなった次の日から、普通の生活が始まりました。父がそれまでに使っていた食器や、着ていた服を少し整理したことを覚えています。置いておいても仕方がないからと、母が潔く捨てていました。でも本当は私の知らない所で、何か大切に保管しているものもあるのかもしれません。